第17回 診療圏調査とは?
開業を目指す先生方はもちろんご存じだと思いますが、診療圏調査とは、開業予定地で、どの程度の患者数が見込めるかをおおよそ推計していくことです。
今回は、診療圏調査の元となっている統計調査にどのようなものがあるかご紹介いたします。
1. 国勢調査
5年に1回の頻度で行われている統計調査です。
ある時点における人口について、性別や年齢、就業の状態や世帯構成など様々な切り口で日本全国の人口動態が分析されています。
診療圏調査では、患者数を推計するための母数となる診療圏内の人口を算出するために用いられます。
2. 患者調査
3年に1回の頻度で行われている統計調査です。
ある1日に病院または診療所を訪れた患者の性別、生年月日、患者の住所、入院・外来の種別、受療の状況(疾病)、診療費等の支払方法について調査されたものです。
診療圏調査では、患者数と受療の状況(疾病)から得られる人口10万人に対する外来受療率を活用して、先生方が標榜される診療科に訪れる患者の疾病から、診療圏内の外来受療率を算出するために用いられます。
つまり、国勢調査から得られる診療圏内の人口(地域人口)に患者調査から得られる外来受療率をかけることで、開業予定の診療圏内に存在する患者数をおおよそ把握することが可能です。
統計調査は公開されているものなので、市役所等に出向いて、必要となるデータをご自分で調べることはもちろん可能です。
さらに、開業予定の近隣に存在する医療機関をインターネットで調査し、さらには実際にその地域を訪れて時間をかけて調べていけば、ソフトを使わなくてもかなりの分析を自力で行うことも可能です。
先生方が開業予定の地域をご自分の目で見て回ることはもちろん大事ですが、詳細な診療圏調査にはソフトを活用することをおすすめいたします。
診療圏調査を行うための専用のソフトを活用することで、診療圏内の人口動態がどのようになっているか、近隣にどの程度の医療機関が存在するか、自院で標榜する診療科の患者数はどの程度になるかなど、詳細に分析を行うことが短時間で可能です。
さらに競合となりうる近隣の医療機関を考慮に入れて、より詳細な分析を行うことで、銀行に提出する事業計画書をより説得力のあるものにしていくことも可能です。
診療圏調査を行うソフトは様々ですが、分析に活用しているデータはほぼ共通したものとなっています。
当社ではその専用のソフトを保有しており、詳細な診療圏調査を行うことが可能です。
20年以上に及ぶ調剤薬局としての経験から、「診療圏は自院から何キロまでの範囲が適切か?」、「自院からの距離だけでなく、徒歩や車での来院にかかる時間で診療圏を設定できないか?」など、様々なご要望に応じた診療圏調査を行うことが可能なので、ぜひご相談ください。