第35回 不動産を取得する際のアレコレ(その2)
医院開業にとって、最も重要な要素として挙げられるのがやはり立地ですよね!
そこで、今回は不動産物件の選び方、見極め方について注意点なども示しながら、土地に面する「道路」について確認しなければならない事項をお話したいと思っています。
1.みなし道路と位置指定道路の違いについて
前回の「不動産を取得する際のアレコレ(1)」の(1)でもお話致しました様に、基本的には、「42条一項一号道路」という道路法によって定められた幅員4m以上ある国道、都道府県道、市区町村道に
2m土地が接していなければ建物は建てることができませんとお話致しましたが例外があります。
それは「みなし道路」と「位置指定道路」です。
先祖代々受け継いできている自分の家に接する道路の幅員が2m道路だったとします。昔からある道路に後から建築法ができて「変えろ!」なんて言えないので、「次回に家を建て替えるときは道路の中心線から2m下がってくださいね」と言うのが「みなし道路」です。要するに、「取り敢えず道路としてみなす」ということです。
土地の広告や重要事項説明書に「セットバックあり」と書いてあることがあると思います、これが「みなし道路」のことです。新規で購入であれば、結果的に広さが少し削られることが考えられますが、接道がその道路しかない場合は、今まで建築できなかったところに建築できることにもなりますので、上手に交渉して入手した方がよいでしょう!
位置指定道路とは、幅員4以上の私道で特定行政庁からその位置の指定を受け、建築基準法上の道路として扱われる道路のことを指します。どのようなケースがこれにあたるのかといいますと、土地を持っていた5人家族(夫婦、子供3人)が、それぞれ子供が下図のように独立して400坪内に子供3人が家をたて建てたとします。 このようなときに奥の家の出入口を考えて道路を設け、この土地を4者の共同名義にしました。 そして、時代が経過し土地の持ち主は親族でなくなり、全くの第三者が購入し、「子2」と「子3」の土地においては新たに建替えができないなどの問題となることがあります。なぜか!それは「公道」ではなく「私道」だからです。
この私道を公道として取り扱ってもらえるようにするために位置指定 道路を申請する必要がありますが、他の所有者との連携や市役所への申出などかなり複雑なのでできるだけ購入は避けた方がよいでしょう!
2.都市計画道路区画の建築について
都市計画道路とは、重要事項説明書にも添付する資料で、これからの都道府県、市町村の道路計画を示したカラフルな図面です。
これにもし購入する土地が入っている場合、近い将来土地を削ることになるか、土地と建物の一部撤去される可能性がありますので、不動産業者にじっくりと詳細をお尋ねした方がよいです。なぜ、土地を削ることなどになるのかというと車通りが多く渋滞などが多いので、道路の幅員を広げて、対面通行から2車線による相互通行や歩道の確保などが必要と考えたからと思われます。これは何年か前より計画的に住民にも説明をしていると思いますので、現地の方はほぼご存じだと思いますが注意が必要です。
しかし、稀に購入した後も道路を拡張したいので協力をしてほしいと話がありますが、その際は地域住民と力を合わせて、賛成か反対かを唱えることが必要だと思います。
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