第40回 医療機器の組合せが、医業収入に直結
診療所を開設する際には、診療科目によってばらつきはありますが、医療機器の投資額は、
おおむね1,500万円から2,500万円前後を見込むケースが多く見られます。
その限られた予算の中で、医療機器をどう組合せて導入するかという問題は、医業経営において重要な課題です。基本的な医療機器選定の方法としては、自院の診療方針・得意分野から必要不可欠な医療機器(集患の武器)と、地域でニーズがあり、診療報酬の高い医療機器(収入の武器)の2本柱をまず検討し、この2つを中心に予算枠の中で最適な医療機器の導入計画を策定することが望ましいです。
■開業地の診療圏の特性に合わせた医療機器の組み合わせが重要
検査収入が多く見込める機器でも、むやみに導入検討するべきでは無く、開業地の診療圏調査を入念に行い、地域住民の年齢・性別構成などを鑑み、当該検査の稼働予測・収入予測を試算した上で、自院が提供する医療サービスに必要か否かを検討することが肝要です。
また、MRI・CTのような高額医療機器の導入を検討している場合には、近隣の医療機関の整備状況などを把握し、既に近隣で導入されているのであれば地域連携を検討するべきです。
医療機器・備品の一般的な選定手順としては、電子カルテなどのITシステムMRI、CT、X線装置やCR(DR)システム)といった設備に関係する機器(重量・給排水・電気容量の検証)心電計やエコー、内視鏡といった診断機器診察台・備品棚のような什器備品の順に検討するのが効果的です。医業経営コンサルタントなどから、医療機器備品の標準的なリストを入手して、参考にするのも良いでしょう。
■院内レイアウトを決定する前に、主要医療機器を選定しておく
主要医療機器の選定のタイミングとしては、院内レイアウトを検討する前までに決定しておくと、効率的な院内設計が可能です。医療機器の組合せによって、必要とされるスペースや患者動線・スタッフ動線が変わってくることがその理由として挙げられます。例えば、院内IT化を検討した場合ではカルテ・検査データ・X線フィルム等の保管スペースを他の用途に有効活用することが可能となり、また導入する診断機器の内容によっては必要となる処置・検査室のスペースも異なる、といったケースがその事例です。
院内レイアウトを検討する際には、想定医療機器の重量・給排水・電気容量の検証、医療機器搬入経路の検証なども忘れてはなりません。事前に導入予定のメーカーに確認しておくことが肝要です。必要に応じて、設計事務所と導入予定のメーカーでの打合せを依頼すると良いでしょう。
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今回は、医療機器の専門家から、医療機器の購入についてお話いただきました。
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